楽天市場
[無料でホームページを作成] [通報・削除依頼]

久々だけどムシャクシャしてなんか書いてた

2015年11月1日 22時54分56秒 (Sun)

傭兵←盗賊のお話です

※この作品は乖離性ミリオンアーサーを原作とした二次創作です。
※この作品にはカップリング要素があります。
 私は、この男が苦手だ。

 仲間たちと笑いながら談笑している傭兵を横目に、私はそんなことを考えていた。
100万本以上もある聖剣に選ばれこんなところで戦力となる訓練を受けるようになってから、私はあの男を含めた4人でチームを組むことになった。
 名前は全員アーサーだ。なので便宜上役職を名乗っている。片メガネをかけ、煌びやかな装飾に身を包んだ線の細い男性。彼は富豪アーサー。長いドレスのような服に、栗色の髪が美しい彼女は歌姫アーサー。黒い服に紫色のライン、キツネの尻尾のアクセサリーをつけた私は盗賊アーサー。
 そして厚い鎧を着込み、まるで先に岩のついた鈍器のような剣を軽々しく振るう男。この男が私が傭兵と呼んだアーサーだ。
 富豪も歌姫も、エクスカリバーを抜くまで戦闘の経験は0に等しかった。この3人と初めて出会ったのはとある外敵との戦闘の中、たまたま同じ戦場で、同じ場所で戦っていた時だった。かろうじて私たち4人はこの訓練城の主の導きでどうにか生存することができた。
 その時慌てふためく歌姫と富豪を足でまといとして切り離そうとしてた私を尻目に2人を導いたのが彼、傭兵だったのだ。
 傭兵アーサー。その名のとおり傭兵を職業としていたアーサーであり、おそらく戦闘の経験は私よりも上だろう。
 なのに彼は私よりも光に満ちた瞳をしていた。私よりも未来に希望を持っていた。命が当たり前に失われていくような戦いを幾度となく経験しておきながら、この男は全く汚れていなかったのだ。

 だからこそ、私はこの男が苦手だ。

 この訓練城の中でも誰とでも分け隔てなく接し、そこに計算めいたものは全く感じられない。彼の人間性が全面に現れていた。その上戦闘となるとやたら頭が回る。伊達に傭兵を名乗っていない。
 富豪も、お金や損得の話ではやはり饒舌になる。しかしそこにはしっかりとした計画があり非常にきっちりしている。勿論大きなお金が動くこともあるので当たり前と言えばそれまでだが、そのお金を回すために彼は色々策を練るのだ。そこにはやはりどこか他人と自分を比べる計算めいたものがあった。勿論人の命が関わると損得どころか自分の命も投げ出して戦えるような人間である。伊達に聖剣に選ばれてはいない。彼も本気でこの国を、この国に住む人々の命を救おうとしているのだ。
 歌姫は、いい意味でも悪い意味でも計算高い。こういうのを世の中ではあざとかわいいというのだろうか。とにかく自分を可愛く見せるために余念がない。そんなことをしなくても彼女は十分すぎるほどの顔とスタイルを持っているはずだ。あの胸にある脂肪の塊を私は憎々しげに見つめる。勿論彼女も色々文句を言いながらも人の命をとても大事に考えていた。
 しかし傭兵にはそういったものが一切見られないのだ。まさに純粋。その両手は血で汚れているはずなのに、それでも彼は真っ白だった。しかしどういうわけか、彼にはエクスカリバーを抜けなかったようだ。
 抜けながった。というには少し語弊があるようだ。彼のエクスカリバーの先端には、台座の岩の破片らしきものがどっしりとくっついている。あれでぶん殴ってもかなりのダメージを見込めるくらいには。
私と同じ、戦場に身を置く人物でありながら彼は、私とは明らかに違った。

 それゆえに、私はこの男が苦手だ。

 私の視線に気付いたらしく、傭兵がこちらに不思議そうな視線を向ける。そんな彼から視線を外した私は再び小さくため息をついた。
 私は盗賊だ。人のものを奪い略奪し、それを糧として生きる。必要とあらば人を傷つけることだってある。

 私は、そんな私が嫌いだ。

 傭兵、盗賊、富豪、歌姫。私たち4人のアーサーはいつだって4人で戦ってきた。私は人生でここまで他人を信用したのは初めてだった。私はそれほどまでにこの場所を心地よく感じ、彼らと結びついてしまっている。
 この4人で行動するようになってから随分経つ。もうすぐ外敵、そしてキャメロットがここへ攻めてくる。目的は今もこの城のどこかを我が物顔で闊歩してるファルサリアという謎の妖精。

「行くぞ」

 傭兵が言った。

 私たちは戦場に立っていた。目の前にはキャメロットのアーサー。金色の髪に重厚な戦闘服。そしてまるですべてを説き伏せるかのような威圧感。
 あれがキャメロットの三大勢力のうちの一つ。通称『剣術の城(ブレードプロテクト)』。
 私たちは直感的に力の差を感じ取っていた。4人の中で一番の実力者である傭兵が彼の存在を感じ取って一番最初に発した言葉は「かち合うな。次元が違う」だった。
 実際それは間違っていない。実際こうして傭兵の打撃も私の魔法も、富豪や歌姫のかく乱も全く意味を成さすただそこに凛として佇んである。これが真のアーサー。これ王に最も近い男の力なのか。
 私たちが王の卵と揶揄されたのもよくわかる。
 しかし私たち4人は諦めてなどいなかった。まだ勝ち目はあるはず。
 傭兵。あなたはただまっすぐ突き進んでください。あなたが後ろを振り向かなくて済むように、背中は私が守ります。それに富豪も、歌姫だっています。私たち4人は立場は違えど、こうやって並び立って行くんです。これからも、道を違えるまで……。

「すまぬ。そなたたちはここで死んでくれ。ブリテンのために」

 剣術の城はそう言いながら自らの剣、エクスカリバーに魔力を込める。彼の最大の技が放たれる。4人は肌で感じた。逃げることは選択肢にない。私たち4人もそれぞれのエクスカリバーに魔力を込める。
 彼にも迷いはあるのだろうか。場違いにも盗賊はそんなことを考えていた。
 剣術の城から放たれた攻撃は無常にも私たちの攻撃をあっさりと飲み込んだ。痛みすら感じることなく薄れゆく意識の中、私が見たものは、私たちを守ろうとなれない防御魔法を発動している傭兵の姿だった。

 あぁ、やっぱり私は、この男が苦手だ。

――――――――――――――――

と、いうわけで何気なしにだーっと書き上げてみた。富盗ばっかでおじさん泣きそう。個人的には盗賊ちゃんは傭兵と腐れ縁みたいにお互い変なところで信頼し合ってて欲しい。

コメント

マネ

感想
はじめまして。
乖離性ミリオンアーサーの二次創作おもしろかったです。
傭兵は戦闘経験豊富なのに純粋さを残しているのがすごい。
盗賊は、裏でいろいろ考えているところがいいですよね。
ドラマCDは聞きましたか?盗賊のいいところがよくわかります。

乖離性ミリオンアーサーの二次創作は貴重なのでできれば
もっと読みたいですね。
個人的にはファルサリア視点の話とかこの記事の話の続きとかみたいです。
投稿日:2016年10月23日 23:17

とりっぷ登録ユーザー

返信
>マネさん
こちらこそ初めまして。管理人のとりっぷです。
返信遅くなって申し訳ありません!
ミリオンアーサー自体二次創作少ないですからねー。それを探してこんな辺鄙な所まで来てくださってありがとうござます。
傭兵と盗賊はあくまで筆者の印象でこれが正しいかと言われれば二次創作ですので。ただ盗賊はイゾルテのサブストーリーでうまく立ち回って富豪さん助けてるので、裏でコソコソするのは得意なんでしょうね。誰かのために。
ドラマCDは発売当初に聞いたのですが、大分前なので幾分記憶が……。よし、今度聴きなおそう!!
fgoの特異点のブリテンがMAのブリテンだったら面白いなーとか思ったりはしてるんですけどね……。
いつとは約束できませんがまたMAの二次創作も書きたいと思います。
感想ありがとうございました!

ではっ
投稿日:2016年10月26日 23:01

マネ登録ユーザー

無題
お久しぶりです。

ミリオンアーサーも格闘ゲームになったり、新しいプロジェクトが始まったりと、まだまだ楽しみがありますね。

そういえば、pixivの方の作品で、FGOと乖離性ミリオンアーサーのクロスオーバーの「傭兵さんが特異点になったようです」が完結しました。
どうぞ読んでみてはいかがでしょう。個人的にはファルサリアの動かし方にグッときました。

それでは
投稿日:2018年2月21日 11:41

この記事にコメントする



メールアドレスは公開されません。サイト運営者からの連絡に使用されることがあります。

入力すると投稿者名がリンクとして公開されます。


表示されているひらがなを入力してください
認証コード

ブログ

日月火水木金土
123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031
QRコード
携帯用QRコード