小説
愛 タッチ YOU
黄 X 黒 黒子のバスケ
5. 絶対に勝ってやろうと思うのに必要なもの
インターハイの準決勝、試合直前の空気は暑苦しくて、ビリビリしていた。
海常のベンチには青峰がいた。今日はスタートから出るらしい。
青峰は相変わらずだ。メンバーは監督の指示を仰ごうと集まっているが、一人だけ端のベンチでふんぞり返っている。
「大ちゃん、ちゃんと監督の指示を聞いてちょうだい」
マネージャーの桃井が青峰を叱っているのが聞こえるが、本人はどこ吹く風だ。試合前なのに、自然体で気負いがまったくない。そのくせ凄味がある。
それに青峰はいい体をしている。筋トレなんてしたこともないはずなのに、ユニフォームの下にはしなやかで弾むような筋肉が見える。
(スゲェ)
見れば見るほど、青峰が化けもんみたいに思えた。
(腹括るしかないな)
腹の中から、ふうっと思いっきり息を吐いた。
(青峰っちに勝つ)
ドクドクドクと心臓の鼓動がいつもより早く感じられる。けど、不思議と心は落ち着いていた。
(黒子っちは今合宿中だっけ)
この試合に勝ったら黒子に告白しようという決心。
先輩たちのインターハイにかける想い。
オレはそれらを背負うのをやめた。ただ純粋に青峰と勝負したい、それしか頭にはない。
そこに青峰がいる。そしてオレは絶対に青峰に勝つ、以上。
思えば、中学の時、青峰を見たあの瞬間がすべての始まりだった。ガツンと頭を殴られたような衝撃。
やっと、見つけた。『絶対に勝てない相手』
そして、オレの人生が始まった。バスケ人生が。
縦横無尽だった。青峰のバスケは。痛いくらい憧れた。彼のようになりたくてなりたくて、でも、なれなかった。
でも、毎日毎日誰よりもそばで青峰のプレーを見てきた。毎日毎日、彼に挑み続けた。
脳にも体にも青峰のプレーは沁み込んでるはずだ。
目を閉じる。いろんな音が耳の中に入り込んでくる。会場の騒めき、隣コートのブザーの音、キュッキュッとフロアを噛むバッシュの音。
(集中しろ)心に唱えた。すると、ざわめきが遠のいくのが感じられた。
まぶたを開けると、笠松先輩と目があった。
「いけるのか?」と訊いてくる。
オレは頷いた。「いつでも行けるっス」
「よし」先輩はニッと笑った。「ヤツはお前にまかせる」
『お前にまかせる』と言った言葉のとおり、先輩たちは終始オレに青峰との一対一を挑ませてくれた。
だが…
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プロフィール

- ニックネーム
- うり
- 性別
- 腐女子
- 血液型
- B型
- 自己紹介
- 本が大好きな主婦です。黒子のバスケなんかの二次小説を書いています。
- 趣味
- 犬と遊ぶこと。映画を観ること。音楽を聴くこと。走ること、と言いたいが、最近走れない…
- 特技
- 動物には好かれる方
- 職業
- 事務職
- 座右の銘
- 人事を尽くして神様にお願いする
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