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短編小説。

2009年11月30日 23時39分12秒 (Mon)

真っ暗な道。

気が付けば真っ暗な道の中に居た。辺りを見渡しても真っ暗で何も分からなかった。
だから私は真っ直ぐ前へと進んだ。一筋の光さえ見えないこの空間を真っ直ぐに進んだ。
ここがどこなのかも、いつになったら何かが見えるようになるのかも分からないまま進んだ。
もしかしたらこのまま何も見えないんじゃないかなとさえ思った。
自分以外の他には何もなくて、ただこの暗闇が続いているんじゃないかと疑った。
暗闇を歩いている内にあることに気付いた。
後ろに誰かいる…?
そう思って振り返ると、やはり暗闇は続くばかりであった。
でも何か気配はした。無音で無臭で何も無い空間の中に気配を感じた。
取り敢えず歩いて来た道を戻ってみた。でもまだ何も見えなかった。
まだなのかなと思ってまた歩いてみると、ついに人を見付けた。
真っ暗な空間なはずなのに、一人空間から孤立したように、はっきりとした姿が見えた。
でもその姿は酷かった。右腕は無く、肉が落ちた腕からは骨が突き出ていて、残った左腕は切り裂かれ、血が滴り落ちていた。
かといって身体も見れたものじゃなかった。腕とどうように痣や傷などがあちらこちらに在った。顔も痣だらけだった。
大丈夫?そう問いかけた。
目の前の人はそう言われて驚いたような顔をした。
あなたの方が大丈夫?そう言われた時、自分の身体を見たが怪我は無かった。
なんで?あなたの方が凄く怪我をしているよ?そう聞いたら目の前の人はこう答えた。
私は身体の怪我だから大丈夫。いつかは治るよ。だけど。
目の前の人はそう言って言葉を区切った。私は意味が分からずにその人の声を待っていると、その人は私の胸を見てゆっくりと。
だってあなたは心が酷くボロボロだよ。
そう言われて何か見えるかなと思って自分の胸を見たけど、何も見えなかった。
身体がボロボロになるよりもずっと辛いことだよ、それは。目の前の人は心配そうに私の顔を見た。
私はその人に聞いてみた。
どうすれば治るの?
その人は答えた。
治らないよ、でも時間が経てば痛くなくなってくるよ。
さらに聞いた。
私は痛がってるの?
その人は頷いた。
それからここはどこなの?
知らない。そう言われた。
どうしようもなくなって私たちは黙った。
でも黙っていても、動かなくても何も始まらなかった。
行こうか。そう私はその人に言った。
どこに?その人はそう聞いて、私の目を真っ直ぐに見詰めた。
どこか。私はそう答えた。
そういってその人と一緒に歩きだした。
怪我は痛くないの?
痛くない。
そう。
私とその人は殆ど何も喋らなかった。いつか光が見える気がした。歩いていればいつか光が見える気がした。
もうどれくらい歩いただろう?疲れないのに、凄く疲れた感じがした。
大丈夫?心配そうに眉を寄せて、その人は聞いてきた。
大丈夫。私は言い切った。
本当は大丈夫じゃないんでしょ?その人は私のことを分かっているように聞いた。
本当に大丈夫。
嘘だよ。
本当。
嘘でしょ。
本当だってば。
嘘だって知ってるよ。
本当なの。
じゃあいつもみたいに笑いなよ。
そう言われて笑おうとした。だけど笑えなかった。本当は辛かった。
ごめんね。
何となく口が勝手に動いて、その単語が出て来た。
何で謝るの?
その人は私の顔を見ていた。
迷惑をかけて、それから嘘を吐いて。
理由が簡単に出て来た。
いいよ。
その一言で少しだけ気が楽になった気がした。その人の腕がじょじょに治っていってるのが見えた。
でも私のは治っていってるのか、その痛みに慣れたのか分からなかった。
ねぇ、どうしてそんなに一人になりたがるの?
その人にそれを言われて、私は首をかしげた。
最初から一人だったでしょ?
周りを見渡しても誰も居ない。ただ暗闇だけが広がっていた。
それは違うよ、とその人は言った。
でも本当に居ないの。私は返した。だって見えないから。
君に僕が居るよ。それに、他のみんなことも見ようとしていないだけだ。
違うよ、本当に誰もいないの。
私とあなた以外は誰もいないこの空間の中で、黒じゃないのは二人だけだった。
そう思い込んでるだけでしょ、ちゃんと見て。
そうやって顔をあげて周りを見渡したが誰も居なかった。
誰も居ないよ。
もっとちゃんと見て。ちゃんと聞いて。思い込まないで。
何度も目を凝らして、何度も耳を澄まして、何度も頭を真っ白にした。
もっと、もっと、ちゃんと見て、聞いて、感じて。
あ。
見えた。
確かに周りにいっぱい人がいた。
相変わらず真っ暗だけど、光に変わる色が周りに沢山溢れた。
心配したんだよ、若い人が言った。
俺はお前のこと好きだよ。同じ年くらいの人が言った。
なんでも言ってね、待ってるから。老いた人が言った。
ほら見えたでしょ。怪我をしたその人が言った。
うん。私は返事をした。
見えないんじゃなくて、見ようとしてないだけだったんだよ。
さらにその人は続けた。
ちゃんと見て、聞いて、感じて。一人だと思い込まないで。
うん、私は答えた。
分かったら笑って。
うん。その言葉に私は笑った。

2009年9月28日 21時34分36秒 (Mon)

I love shibaken

俺は、男に恋をしてしまった。
ソイツを見る度に胸が熱くなって、ソイツに触れたいと思ってしまう。
切っ掛けがどんな物だったか何てもう覚えてはない。
でも俺はソイツがひたすら好きになっている。
いや、ずっと前から好きで、最近になって確信してしまった。
俺の布団の中で顔だけを出して目をつぶっている、そんな姿を見て俺はソイツに興奮してしまった。
多分、昔はこんな風にはならなかったと思う。
最初の頃はソイツに触れるだけだった。でも今は触れた後に必ずと言って良いほど抱き着くようになってしまった。
その身体にもっと触れたい、そう思うようになってしまった。
こんなにも男の身体に興奮する俺は流石に頭がおかしいだろう。
茶色い毛皮で覆われた、俺が大好きな男は今は床で寝転んでいる。
俺はそれを見るだけで幸せだ。






















布団から顔だけ出して寝るのは物凄く反則だと思った。超可愛いね。

2009年9月22日 18時49分58秒 (Tue)

忘却

今、何かを忘れた気がした。
でも一体、何を忘れたのかが分からなかった。
忘れても良い位、どうでもいい物だったのかも知れない。
絶対に忘れてはいけない位、大事な物だったのかも知れない。
そもそも覚えることさえしない位、当たり前のことだったのかも知れない。
だったらそのままで良いんじゃないかと思った。でもそうしなかった。
私はそれを思い出そうと、何かが消失した事に気が付いたその場所で、何年も考えた。
その場で、何十年、何百年と考えた。だけどなかなか思い出せなかった。
だから私は場所を変えてみようと思った。
行くあての無い旅に出て、他者に何を忘れたのかを尋ねた。
ある人はどうでもいい事だと答えた。
ある人は絶対に忘れてはいけないことだと答えた。
ある人は大事だけど当たり前だと答えた。
それでもまだ答えは分からなかった。だからまだ旅は続く。
何年も何十年も何百年も旅をした。
そしてやっと思い出した。振り返ってようやく気が付いた。
私が忘れていたのは「未来」だと。







環境問題を頭に入れてもう一度読むと意味が伝わるように書いてみた。

日記だよ。

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