1.作文対策の全体像
都立中作文の書き方(その1)
都立中(武蔵)を題材に問題を分析してみましょう。
平成25年度入試における、都立武蔵中(名称簡略化)のものを見てみましょう。
作文の出題趣旨は、学校から以下のように公表されています。
(1) 出題の方針
与えられた文章を深く読み取り、課題に対して自分の考えや意見を、
明確に、かつ論理的に文章で表現する力をみる。
(2) 問題の構成及び主なねらい
- 大問を1問とし、小問3問で構成する。
- 自分の考えや意見を360字以上400字以内で
まとめる問題を設定し、文章で表現する力をみる。
そして、題材となっているのは、“徒然草”と「自分探しの楽しさ」です。
これについては、文語文章と口語訳が記載されています。
小問は以下の通りです。
- 指示語を正確にまとめて文章化する
- 課題文の要旨を60~70字でまとめる。
- 「他者をどのような存在だと考えますか。
また、今後、自分と意見が違う他者と、どのように関わっていきたいと思いますか。」
(260~400字でまとめる)
さて、ここでできなければいけないことはなんでしょうか。
小問の1と2を単なる国語の問題と考えて、それぞれしっかり考えても、
大した点数は付かないと考えられます。
なぜなら、“与えられた文章を深く読み取り、課題に対して自分の考えや意見”
を持たなければならないのですから、課題文の意見を無視することはできません。
実は、できなければいけないことはシンプルです。
- 与えられた課題の価値観を端的に読み取ること
- どういう価値観の対立があるかを整理すること
- 自分の立場をはっきり決めること
- どうしてそういう立場をとるのか、的確に説明できること
この手順以外で考えることは、もはやできないと言うべきでしょう。
問題の出し方自体、他のプロセスでは考えられなくなっています。
一般論として
さて、他の学校はどうでしょうか。
実は、このスタンスはどこの学校も全く変わりません。
課題文が1文しか与えられていなくても、
ある価値観があったら、それと対峙する価値観は、
1つか2つしかないはずです。
そこからのプロセスは武蔵中のものと変わりません。
であるとすれば、都立中受検に向けて、
できるようにならなければいけないことは、
以下であると言えます。
課題文の価値観を一言で表現できるようになること
価値観の把握が曖昧なまま書けるはずはありません。
曖昧なままでは、見当違いのことを書いてしまう可能性もあります。
対立する価値観をきちんと整理できるようになること
両立しうる意見では、正しく論じていくことができません。
きちんと対立構造になっていることが重要です。
ぶれずに自分の立場をはっきりすること
自分の意見が曖昧なままでは、もはや論じる意味がありません。
予定調和・妥協・折衷案という発想は日本人的には大切ですが、
作文・論文では、最後のまとめとして頑固でないところを見せる
程度ぐらいの意味合いしか持ちません。
適切な理由を端的に表現できるようになること
理由が理由になっていないというのは致命的です。
大半の人が自分の意見を持つところまでは進みます。
だとすると、勝負どころは理由の論理性なのです。
次のページから、それぞれの要素について、
具体的に見ていきましょう。